12年ぶりNew Alubmを遂にリリース!

12年ぶりNew Alubmを遂にリリース!
夜明けに向けて描かれる物語の先には
強さを増す光と共に新しい音楽体験が待っている。

80年代のポストパンク、UKダブの先鋭的なスピリットを胸に抱き、静謐な空間を繊細な詩情と重厚な低音で満たしてきた下田法晴のプロジェクト、SILENT POETS。1992年のデビューから今年で25周年を迎える彼は、長きに渡る活動を通じ、アシッドジャズやトリップホップ、アブストラクト・ヒップホップ、ダウンテンポなど、その時々のトレンドに身を委ねることなく、ハイブリッドな音楽性とストイックなサウンド・デザインを特徴とする独創的な音楽世界を育んできた。その作品は世界各国でリリースされたほか、シリーズ累計1200万枚以上のセールスを記録したイビサ・チルアウトの名作『Cafe del Mar』をはじめ、世界各国の40作品を超えるコンピレーションアルバムに楽曲が収録されるなど、国際的に高く評価された。

そして、前作『SUN』から実に12年という時を超え、新作アルバム『dawn』と共にSILENT POETSが帰ってきた。ラッパーの5lackをフィーチャーした「東京」のエクステンデッド・ダブとセックス・ピストルズSex PistolsのドラマーであるPaul Cookポール・クックを父に持つHollie Cookをフィーチャーしたステッパーダブ「Shine」からなる2曲の先行シングルが誘う新たな夜明け。蒼い炎のような情熱が注ぎ込まれた、その美しいサウンドスケープを彩るのは、LORD ECHOの作品でも美しい歌声を披露しているニュージーランド出身のシンガー、Leila Aduをフィーチャーし、エモーショナルなサウンドテクスチャーで空間を包み込む「Asylums For The Feeling」や今も語り継がれる1999年の共作盤『HIBAHIHI+SILENT POETS』以来の再会となるNIPPSが奇跡的な言葉を紡ぎ出す「Eternal Life」。イスラエル出身のレフトフィールドなフィメールMCのMiss Redが切ないトラックに抗うかのようなダンスホールチューン「Non Stoppa」、メロディカプレイヤーのAddis Pabloが偉大な父であるAugustus Pabloのスピリットを情感豊かな音色に宿す「Division Of The World」といったジャンルや世代、国境を超えた個性豊かな音楽家を迎えた楽曲の数々だ。

日本屈指のエンジニアである渡辺省二郎が手がけたミックスのもと、プログラミングされたビートとレゲエのベースラインが生み出す強烈な低音音響とストリングスやアコースティックギターが増幅する美しいメランコリア。その共存にこそSILENT POETSの個性があることを改めて思い起こさせるアルバム序盤から、意外にも初共演となる孤高のダブトランペッター、こだま和文のブロウがアンビエントな空間に溶け込むディープダブ「Rain」。そして、ジャパニーズ・ミニマル・メロウを標榜する若手最有力バンド、D.A.N.のヴォーカル櫻木大悟が他アーティストの作品へ初めて客演で参加した至極のバレアリックナンバー「Simple」へと続くアルバム終盤は、下田が音楽に求める静かなる過激さが目覚ましいサウンドの進化に結実している。そして、明日に向けて音を紡いでいく情熱と先進性があるからこそ、一音一音が吟味され、磨き抜かれた美しい音楽世界が聴き手の心を揺さぶるのだろう。夜明けに向けて描かれる物語の先には強さを増す光と共に新しい音楽体験が待っている。

小野田 雄

Artist: SILENT POETS
Title: dawn
Label: ANOTHER TRIP
Cat. No.: DQC-1599 (ANTP-005)
Format: CD